エンジニア大家
webエンジニアをやりながらアパート経営をしております。
最近、エンジニアになると「月80万」とか「稼げます」とか「週3日でノンストレス」という話をよく耳にします。
youtubeでそういった動画を発信されているのを見て、かつて駆け出しのころの自分が苦労した話を書きたくなりました。
私は彼らよりひとまわり上の年齢ですが、昔と違い今の労働環境はかなり改善されているのかもしれません。
ですが事前の予想通り大変な苦労をしてしまいました。
これから客先常駐で大手企業に行く予定の方、今まさに常駐している方で続けるか抜けるか悩んでいる方の参考になれば幸いでございます。
某大手企業でエンジニア客先常駐した話
労働環境はブラックでした。
しかしその厳しさのゆえ、私の技術力は上がり、またお金も稼ぐことがきました。
ただし、ちょうど2年で精神的な限界が来てその現場を抜けました。
その際にひと悶着ありましたので、現場を抜けるときのコツなんかもお話したいと思います。
どうブラックだったのか?
罵声を浴びる
基本的に変なコーディングしたら罵声を浴びます。
人格否定な発言が多いです。
一生懸命やっているのに「ありえない」とか「頭大丈夫ですか?」みたいな事言われました。
急性胃腸炎になった
現場に入って4日目に洗礼を浴び、翌日ゲロを吐きまくって胃腸科に行きました。
急性胃腸炎と診断されました。
「なにか嫌なことありましたか?」と医者に聞かれたのを思い出しました。(まさにそのとおり!)
7年経った今年の夏に胃カメラの写真を見たら、その時の影響と思われる胃の壁に変色が見られました。
上流側のドキュメントが不完全
また、与えられた画面仕様書が適当でした。
こちらが誤った解釈で詳細設計をした場合、なぜかこちら側が悪いと言われ罵声を浴びました。
ちなみに仕様が変わっても上流側のドキュメントは変更してくれません。
なので、こちらでその変更をすべて把握して詳細設計側のドキュメントに落とし込まないといけません。
それなのに上流のドキュメントが変わってないので、ときどきヘルプで来たチーム外の人から指摘されてしまいます。
正しく実装しても「あれ、これ違くない?」とチーム外の人に突っ込まれ、
「上流のドキュメントが誤りでこちらが正なんです」みたいな説明しても「はぁ?」みたいな反応されます。
社員の人の指示が不完全
テスト工程の際に、テスターからあがったチケットにバグの原因や対処したことを決められたフォーマットで書く必要があったようですが、それを後から言われました。
結局数百のチケットを2〜3日余計にかかってすべて書き直しました。
晒し上げ
月一の定例会で出したバグをスクリーンに出して晒されます。
「誰々がどの画面でこんなミスをしました」と。
どんな技術力が伸びたのか?
まっとうな開発現場を経験できた
フレームワークを使った開発の経験はありましたが、大人数でのまっとうな開発工程(ウォーターフォール、デザインパターン、詳細設計、ドキュメントの作成、期間を定めたテストの実施)を経験できたことは大きかったです。
それまでは小規模な開発でかつ一人エンジニアな状態が多かったので、否が応でも技術力は上がりました。
javascripをガリガリ書くことができた
フロントエンジニアが現場にいなかったので、私のようなサーバーサイドの人間が対応していました。
デザイナーが持ってきたHTMLにjsをガリガリ書いたのも初めてでした。
フロント側をやる機会がそれまでなかったのですが、これで少しは苦手意識は消えたと思います。
エンジニアの友達と沢山会話ができた
あと、他のエンジニアと会話する事が増えたので色々勉強になりました。
7年経った今でも時々会って飲みに行く仲間もできたので、この現場に入って良かったと(ほんの少し)思いました。
お金はいくら稼げたのか?
当時単価が安かったので定時帰りだと55万程度でしたが、
残業を月40Hしていたので概ね月70万程度でした。
その他
遅刻に関して
某JR線の駅から降りてすぐにその会社のビルがありましたが、その路線は頻繁に遅れることで有名です。
自分はそれを見越して9:30に到着するつもりで移動していたので電車が遅れても遅刻はほとんどしませんでした。
ですが、毎朝10:00に遅れる社員や外部スタッフも多いので、部長さんが朝礼でキレます。
「遅れることがわかってるんだからそれを見越して早く来い!」
当時は何とも思わなかったですが、これってパワハラじゃないかと、、。
部署とチームについて
とある自社サービス(売上規模80億程度)の新規開発チームと運用チームで構成され、それぞれ正社員と外部スタッフ混合の20名、10名程度のチームでした。
新規開発チームはさらにWEB側とバックオフィス(管理画面)側とその他(技術開発とか何でもやるチーム)に分かれていました。人数はそれぞれ8、8、4名位でした。
私は新規開発チームのWEB側にいました。
開発体制
力関係は以下のようになっていました。
社員 > 技術力のある外部スタッフ (A社)> 寄せ集めの外部スタッフ
正直なところA社の人が技術力が高く、社員の人は概ねA社の提案をそのまま飲んでいました。なので事実上はA社が一番力があったのですが、時々社員からの無茶振りには逆らえないらしく、ストレスが溜まっていたようです。
その結果、A社の人はかなり横柄な態度で寄せ集めの外部スタッフに接します。
社員さんは寄せ集めのスタッフに対して平時は優しく接しますが、切羽詰まってくると鬼畜以下になります。
やはり化けの皮が剥がれればブラック企業なんだなと思いました。
労働時間とシフト
原則的には10:00-18:30、休憩1Hの7時間半労働でした。
大手企業なので残業、深夜残業、休日出勤の割増賃金の設定があり、また精算幅なんてものもなく、働いた分だけいただけます。
残業は平均して一日2H位でした。が、切羽詰まってくると終電です。
そしてリリースになるとシフト制となり、深夜に来て作業をさせられます。
で、毎回本番リリースに失敗して戻し作業が発生し、朝10時には帰れるはずが12時位まで残されます。
そして翌日は通常出社です。
人のせいにされる
自分の経験のなさから失敗することが多かったのですが、時々誤爆されることがありました。
一番ムカついたのは、以前存在したはずの実装がなくなって(デグレ)おり、その原因が私が勝手に書き換えたということになったときでした。
ムキになってそのファイルの履歴をすべてさかのぼって調べて、そもそもそんな実装がなかったと伝えて疑惑を晴らしましたが、その人は全く悪びれもなく「あっそ」と言うだけでした。
現場を辞める時
最初に所属していた会社に報告し、その日のうちに常駐先の社員さんにも伝えました。
が、その2週間後に別室に呼ばれて「ふざけんな!!!」と怒鳴られました。
おそらく次の人員が確保できず、八つ当たりされたのだと思います。
ちょうど大きな開発の終盤だったからかもしれませんが、こちらは契約どおり一月以上前から伝えていて、
事前に撤退する日程もそれで良いか確認していたのにこの扱いです。
現場を去る時はこんな酷い現場でさえも気まずく感じてしまいます。
ですが、こちらは何も悪くないし、また業績が悪くなったら真っ先に切られる存在です。
なので全くうしろめたさを感じる必要はありません。
何があっても急がずあわてず毅然とした態度で対応するだけで良いのです。
まとめ
厳しい現場に入って色々と鍛えられましたが、
入って良かったと思う点もあれば、しなくても良い苦労もしたので、
どっちもどっちですね。
当時ムカついた奴にもし街で偶然出会ったら○しちゃうかも、とか本気で思います。
なので、それがモチベーションで体を鍛えたりしています。
マナブログのマナブさんもそれで筋トレしているのかな?なんて思っちゃいます。
ちなみにその後いくつかの開発現場を経験しましたが、今の所その大手企業よりも酷い現場はありません。
なので経験を積んだらさっさと辞める、という方針で良いと思っています。
最近SEになりましたので記事にしました。よろしければ御覧ください。
フリーランスエンジニアがPG(実装する人)からSE(設計する人)になってみた件
