エンジニア大家
webエンジニアをやりながらアパート経営をしております。
先日こんな相談をされました。
質問者
こんな話をよく聞きますが、
ときどきそんなことあります笑
今回は私の体験をお話しようと思います。
心理的瑕疵が隠れていた物件を買ってしまった
こんなにもネットが発達した世の中ですぐに悪評が世を駆け巡る状態だというのに、平気で瑕疵を隠して売りつける業者がいるんですね。
大家仲間から又聞きで色々聞いてましたが、「都市伝説」だと思っていました。
ところが、私が直近で購入した物件に
心理的瑕疵が隠されていました。\(^o^)/
意外と身近にそんな業者が居てたいそうびっくりしてしまいました。
しかもここ数年で2件(自殺・孤独死)と悪質な。。😭😭😭
損害賠償請求した結果
結論から言うと、損害賠償請求をしてお金を得ることができました。
ですが、こちらが提示した満足な額ではありません。
あと数ヶ月我慢して売り主側に駄々こねたら増額された可能性はありますが、それでも満額には程遠い金額だったことでしょう。
それでも早めに手を打った理由は、ネガティブな問題にとらわれているとこちらのメンタルも落ちてしまうので、早めに決着を付かたかったからです。
状況の整理

購入前の調査
購入前に以下の方法である程度物件について調べます。
上記をやっても心理的瑕疵の情報は出てこなかったです。
ネットはともかく、不動産屋に聞いてもわからなかった理由は、売り主と仲介業者と管理会社がグルだったからですwww
特に管理会社は本当にひどく、電話すると嫌な感じを醸し出しつつ、私がどんな質問をしても「まだ所有権が移転するまではお教えできません」と言われました。
そして信じられないことに、売買契約が成立した頃に「管理を降りる」と一方的に告げてこられたのです。
この時点で諸々察しておけば良かったです。
購入後に発覚した経緯
リフォーム中の大工さん経由で私に報告が入りました。
工事の挨拶のため既存入居者と会話していた際に「そういえば知ってる?この物件の○号室実はxxx」とベラベラ喋りだしたそうです。
弁護士さんに5000円払って相談
以前相談したことがある弁護士さんに今回も30分5000円(税抜)の相談しました。
状況から言うと「損害賠償請求は可能」というお答えをいただきました。
ですが、いきなり業者に行くといろいろ隠されるかもしれないので、言い逃れされないためには、まず状況証拠を集めることをアドバイスされました。
ちなみに弁護士さんは以下のサイトで探しました。
具体的に動いたことを記載してます。
住民に聞き込み
すぐに現地入りして大家自ら聞き込みしました。
- 物件の向かいのお宅(知っていた)
- 物件の裏のお宅(知っていた)
- ゴシップ好きのマダムが集う美容室(もちろん知ってた)
- 警察署(教えてくれない)
この時初めて周辺住民の方々に挨拶しましたが、皆さん気さくでとても良い感じでした。購入前からやっとけばよかった。
ただし、警察は「プライバシー」を理由に何も教えてくれませんでしたが、「自殺や孤独死は知る方法ありませんが、殺人事件だったら新聞に載るはずです。図書館で調べたらわかります。」とのアドバイスを頂きました。今回は必要なさそうですが、今後同様な事があったら使わせていただきたいと思います。
ちなみに警察の担当の方は「またか」と言っていたので、同じような相談が多いみたいです😅
ハトかウサギに相談
ナンノコッチャかと思われますが、売買取引に関連した不動産仲介業者が「全宅」もしくは「全日」のどちらかに属していると思われます。
- ハトマーク:全国宅地建物取引業連合会/全国宅地建物取引業保証協会⇒通称「全宅」
- ウサギマーク:全日本不動産協会/不動産保証協会⇒通称「全日」
こちらに聞きたかったことは以下です。
- その仲介業者が過去に同じような取引を行った事があるか?
- 心理的瑕疵が購入後に発見された場合、損害賠償金額はどの程度か?
ちなみにハトマークの方に相談したらとても親身にお答えいただきまして、「損害賠償請求できるしするべきだ」とアドバイスいだだきました。とても勇気づけられ、今でも大変感謝しております。ちなみに金額については裁判官じゃないからわからないとのこと。
逆にウサギの方は業者寄りの立場でした。乱暴に解釈すると「騙される方が悪い」的なことを言われて悲しい思いになりました。
最終的に私の仲介をした業者が属している団体から「注意しておきます」というお答えをいただきました。効果があるかどうかは不明ですが。。
地方公共団体に相談
不動産仲介業者の免許を出している所(東京都とか埼玉県とか)に電話し、業者名を伏せて、今回の事例で行政から処罰することができるか聞いてみました。
結論からいうと、今回の材料だけで免許停止や監査の対象になることはないと回答されました。
ここでも「知らずに売ってしまった」場合は業者側にそこまで責任を追求できないとのこと。
「知ってて売ってしまった」という証拠があれば良いですが、内部告発でもない限り無理ですよね。。
事例紹介と学び
今回は私の事例で以下の2つを学んでいただきたいと思います。
- 心理瑕疵のある物件を買ってしまった場合の損害賠償請求
- 事故物件を買わないための防衛策
心理瑕疵のある物件を買ってしまった場合の損害賠償請求

重要事項説明の再確認
事前に瑕疵に関する説明がない事が前提条件となります。
なので契約書時の書類を見直してもう一度確認していただきたいです。
契約時に説明されていたはずなので、見るまでもないとは思いますが^^;
弁護士さんに正式依頼
状況から言うと「損害賠償請求は可能」というお答えをいただきました。
が、裁判になった場合は「家賃の値下がり分の補填」という限定的な損害になるそうです。
というのは不動産賃貸業なので家賃収入が利益だという考えからです。今後売却する際に心理的瑕疵が原因で指値された、というのは考慮されないとのこと。
というわけで、裁判ということは考えず、まずは損害賠償を請求することになり、以下で算出しました。
- 一般的に心理的瑕疵は2〜3割資産価値が下がると言われている
- 建物1(10x号室の心理的瑕疵)×30%
- 建物2(20x号室の心理的瑕疵)×30%
- 土地代×30%×2件
土地+建物2棟で2500万の物件だったので1500万円を請求してみました。
今思うと強気な請求金額だと思いますが、当時は怒り心頭だったので躊躇はありませんでした。
内容証明郵便には以下を記載していただきました。
- 損害賠償金額とその算定根拠
- 請求に応じなければ裁判の手続きをとり、営業許可を与えている地方公共団体に連絡する
不動産業者としては営業できなくなることが一番イヤみたいです。
このあたりは弁護士さんが相当詳しいと思いますので詳しく聞いてみてください。
ちなみに弁護士費用ですが、着手金30万と成功報酬16%でした。
仮に1500万もらえたら1500×0.16+30=270万円が弁護士さんの取り分。
内容証明郵便を送付後
速攻で業者から弁護士に連絡が入ったそうです。
しかも、あれほど調査してくれなかった管理会社からあっさり「平成○年☓月に事故死」「平成△年□月に自殺体で発見」などと聞き込んだ情報よりも詳しいのが出てきました。さすが弁護士さん。
交渉
それから隔週くらいで弁護士さんと仲介業者の間で話し合いが持たれました。
当初、業者も売り主もしらばっくれてて「ビタ一文払わん」みたいな感じでしたが、徐々に折れてきて、50万、100万と値段がつり上がっていきますが、こちらの請求金額には程遠い状態が続きました。
ときに開き直られた発言を弁護士さん経由で聞き、つい激昂してしまうこともありました。本当にその際は弁護士さんに申し訳なかったと思っています。
決着
結局のところ、売買金額の10%程度(250万程度)を損害賠償金額としてお支払いいただきました。

損害賠償の内容証明郵便を送りつけてから4ヶ月弱かかりました。
裁判だとさらに長引くし、損害賠償金も家賃値下がり分×2年程度なので、さらに少なくなった可能性はあります。
ですが、裁判までやると相手へのダメージもより深くなりますので、本当に頭にきていたらやっていたかもしれません。
防衛策

地域住民に聞いて回る
とにかくこれに尽きます。
正直見知らぬ土地にいきなり押しかけるのは誰でもプレッシャーかと思いますが、大金がかかっているので面倒くさがらずに絶対やってください。
以下を対象に聞き込みしてください
- (アパートならば)既存入居者で入居の長い方
- 周囲のお宅(昼間は不在の場合が多いので夕方がベスト)
- 美容室や個人営業の喫茶店など(みんなゴシップ好きなので良い情報源のハズw)
- 犬の散歩中の人(私はこのおじさんに理由を話し、不在のお宅につなげていただけました)
あと、住民の証言は必ず音声録音してください。
管理会社に聞く
これはグルだったら意味がないのですが、音声録音して後で発覚したらそれをネタにつっこめば良いと思います。かなり優位に立てると思います。
仲介業者に聞く
これも絶対にやってください。できれば音声録音して。
もし後から発覚した場合かつ裁判になった場合、良い材料になると思います。
ICレコーダーは買った方が良い
アンドロイドなら良いアプリがあるそうですが、私はiPhoneなのでICレコーダーを別途購入しました。電話の音声も録音できるイヤホンマイクも別売りでしたが購入しました。
その他
裁判凡例がいかに載っています。このページをご覧の方でお悩みの方は裁判凡例とご自身の状況を照らし合わせ、近いケースがないか探してみてください。