相談者Aさん
先日こんな質問を受けました。
確かにwebエンジニアは理系職とみなされる論調をよく耳にします。
ですが、12年ほどwebエンジニアをやってきて様々な人を見てきた私としては、 単純に理系職であると断言はできません。
文系でもwebエンジニアになれるの??
結論から言うとなれます。
文系の方でも大活躍されている例を沢山見てきました。
(文系だと哲学科出身者が優秀な方が多い気がします^^)
その理由について述べたいと思います。
「使いこなす」側の人は誰でも良い
webエンジニアはPHPとフレームワークを学び、
DNS設定やサーバー(物理、仮想)・ネットワークの設定をし、
そのサーバーにWEBとDBを構築し、
そこにソースコードを配置してサービスを運営します。
このPHP、フレームワーク、DNS、サーバー・ネットワーク、web、dbですが、
「誰かが作ったものを利用」しています。
この「利用する」という行為ですが、
極論すると「誰でもできる」ということです。
文系・理系は関係ありません。
もちろん一般的には非常にとっつきにくいです。
ですが、マニュアルを読んでしっかり学習したり、人によるサポートで「この操作をすればこういう結果になります」と教え込まれて訓練さえすれば、誰でもできますよね?
- 開発言語そのものを創る
- 独自にwebやdbサーバー開発する
- 既存のDNSの仕組みではない名前解決の仕組みを別に考え出す
など、「創造する」側は誰でもできないのかもしれません。正確に言うと「断然高度」なのでハードルがめちゃ高いと思います。
この場合においても理系が有利とか私には断言はできませんが、「使いこなす」行為に比べたら誰にでもできることではないと思います。
以上から、いわゆるwebエンジニアとしてwebサービスの開発に関わる仕事をするだけなら、理系の方でも文系の方でも問題ないと思われます。
WEBエンジニアは理系が適任とされる理由とは?
ここから少し話が変わりますが、なぜ理系職とみなされるのかを私なりに考えました。
問題解決のアプローチが理系チック?
PCやサーバーなどの機械を相手にするので実験的な対処(仮定して実行して結果を得て考察する、みたいな)を頻繁に行います。
これは学生時代に実験等で同類のことを沢山やらされた理工系の学生の方が耐性があるという理由で、
安直に適正があると思われているのかな?と私は思います。
しかしながら、機械ではなく「人」が相手でも同じアプローチで問題解決するのではないでしょうか?
問題解決のアプローチは文系でも理系でも同じだと私は思っています。
ビット演算を取り扱うから?
言語の勉強していたら出てくる内容ですが、ビット演算を取り扱うことがあります。
(数学科の方は学校で勉強されたりするのでしょうか?^^;)
ちなみに私は理工系でしたが学校の授業で学んだ事はありません。
(2進数の計算は公務員試験の問題集でちょっとやっただけやった程度です)
という感じで、こちらも安直に理系(数学科だけ?)に適正があると思われているような気がしてなりません。
ちなみに実務での話ですが、画像処理の時やDBのデータの保持でビット演算を利用したことがあります。
SQLでビット演算を使った検索が便利だったのでメモ
ですが、理工学部出身のわたしは最初は全く意味不明で、全く無知な状態から調べて対処した感じです。
例え自分が文系だったとしても同じ苦労をしたと思いますし、対処できたと思います。
支配層(文系)の偏見?
日本は文系社会です。支配層に文系の方多く、そのため生涯年収が理系よりも高いとされています。 (今後は知らんよ)
乱暴な論調ですが、「自分が理解できないことは理系に押し付けよう」という空気があると思います。
以前社内SEになった時は、エクセル難民が大量に押し寄せてきました。
「SEだ!助かった!!」と問題もまだ解決する前なのに皆口を揃えてそう言ってきました。
ITとは無縁の会社を無理やりIT化した結果、多くの社員がPCで毎日苦労されていたようですが、
皆さん共通していたのは「思考停止」でした。 自分で解決しようとする気がない。
悪いのは自分ではなくて、難しいPCでありエクセルでありそれを命じた会社だと。
社員を解雇できない会社って多いと思いますが、 こういった方々をPC使える人に入れ替えたら業績はうなぎのぼりだろうなと思いました。
「戦略の階層」によれば必然?
以前にも紹介しましたが、戦略の階層の図を出して説明すると、
「戦略」よりもより技術に近い「戦術」を扱う人の適正はやはり文系よりも理系な気がします。
webエンジニアの大半は経営側というよりは現場・実務側に位置することが多く、
先程の戦略よりも戦術よりの人間ということで理系が適正があるので多くなるような気がします。
ちなみに
戦略・戦術についてですが、
軍事的にはクラウゼヴィッツの戦争論、エドワード・ルトワックの戦略論といった本で詳しく書かれていますが、
ビジネスレベルですと奥山真司さんの本がわかりやすいと思います。
まとめ
- 文系・理系関係なくWEBエンジニアになれます
- 適正が理系にあると思われているだけ(なので気にすることはない)
- 人数割合は理系の方が多いかも
少しネガティブなことも書きましたが、webエンジニアは実務に近い職種なので「使われる」立場です。
でもその強力な技術・思考を手に入れたあとは、独立したりITに強い経営者になることも可能です。
なので、最初に何の武器も持っていない時期はwebエンジニアになることはお勧めできます。
文系出身者の方なら理系に比べ、将来的に人を使う側の立場になりやすいのではないでしょうか?
そういったことも視野に入れつつ、是非チャレンジしてみてください!
webエンジニアやってみてよかったか???キャリア12年の私が語ります