エンジニア大家
2022年もそろそろ終わろうとしてますが、昨年の後半も「物件高いっすね〜」と大家仲間とそんな話をしていたことを思い出しました。
私は一年以上もの間、何度か購入湯したい物件に買付を入れては断られてを繰り返したのち、
ついに競売物件に手を出してしまいました。
そして過去一のものすごい苦労した結果、入札から1年ほどかけてリフォームを終え、現在入居募集中です。
今回はここまでの経緯をダイジェスト風に記事にしたいと思います。
動画も作成したので合わせてどうぞ↓
各項目は後日深堀りしていきます。
競売で戸建てを購入してリフォームした
経緯
前述のとおり、不動産情報サイトの物件は高いし競合が多いので目線を変えて競売サイトを物色することにしました。
すると北関東某所になかなか良さげ(今思えば良くはない)な物件に白羽の矢をたて、ひとまず現地を視察。
外側からみた限りだと特に問題なく、入札することにしました。
裁判所の資料はある程度信頼はできますが、雨漏り・シロアリ・漏水など住民でなければ知り得ない部分は聞き込みし鵜呑みにした情報を記載しているにすぎません。
入札、占有者と対面、裁判所手続き、明け渡し
裁判所に入札用資料を請求し、それに記載し保証金を指定銀行の口座へ振り込みし、その振込票を同封した書類を送り返します。
入札で負けたら保証金は戻りますのでご安心を。
この物件は3者が入札して私が最高値を付けました。ちなみに第二位との差は40万程度でした。
入居者はすでに引っ越し済みでしたので鍵はすぐに貰えませんでした。
裁判所で調べた住所に訪問してやっと元の持ち主と面会し残置物の放棄届を手渡し。
その後、お子さんが記入するということになりそれなりに時間もかかってしまい、
なんやかんやで開札から1ヶ月経ってから入室しました。
競売参加に関して記事にしたのでコチラもどうぞ↓
入室したあとの感想
意を決して室内へ入りました。
まず雨漏り跡がありました。
またキッチン下や洗面脱衣室の床が陥没していてシロアリにやられていたことも判明しました。
そして別記事を書きますが、浴室を解体したら現在進行系でシロアリが活動されておりました。。
リフォームで困ったこと
くらしのマーケットにいる業者に残置物撤去を依頼したらバラした家具NGだった
まずは大量の残置物を廃棄したく、すべて解体してみました。
解体すれば廃棄業者のトラックにたくさん詰めこめると思ったからです。
しかし、ジモティーに載ってる業者は解体した家具は引き受けてくれないとのこと。
理由は「古物商」の免許で活動しているからとのこと。
ばらばらにした家具は「廃棄物処理業者」に依頼する必要があり、そのような業者を探して数社見積もったところ、
そのうちの1社が2tトラックに積み放題で約4万円でやってくれました。
実は後から知ることになりますが、銭湯の従業員の方に交渉したところ木材は無料で引き取ってくれました。
お風呂を沸かすための燃料として使うようです。
なのでこれにもっと早く気がついていたらもっと安く廃棄できたと思います。
詳細は以下の記事をどうぞ↓
大工さんが来てくれない
残置物がなくなったのでいつも依頼している大工さんに来てもらいました。
- 床の傾き
- 浴室と脱衣室のリフォーム
- 木サッシをアルミサッシに交換
- 畳の部屋をフローリング化
上記4点を依頼しました。
が、結局数ヶ月待っても来てくれなかったので諦めて自分で大工さんを探しました。
大工さんに床の傾きと軒天の修復だけ依頼し、
自分は浴室・脱衣室のリフォーム、フローリングをやることにしました。
また木サッシをアルミサッシに置換するのは予算の都合で諦めました。
詳細は以下の記事を御覧ください↓
漏水で市の指定業者に電話したが寒くて来てくれなかった件
水道を開通しようと水道局に連絡したところ漏水してるから先にそれ直せを言われ、
役所HPから工事指定業者を探して連絡するも片っ端から断られました。
当時まだ3月だったのですが、「寒いから嫌」みたいなこと言う業者の居てガン萎え。
役所はしっかりと仕事をする業者だけをリストに入れてほしいと切に願う。
というわけで水道屋さんを知り合いから紹介してもらいましたが、
これが素晴らしい出会いで今思えば地場の業者に断られてよかったと思う。
水道工事は漏水箇所を探すのではなく、給水を全部引き直すことになりました。
最初は水道メーターから外水栓までの地中配管をやり直し(一次工事)、
その後宅内をポリブデン配管で引き直しました(二次工事)。
リフォーム内容
今回主だったリフォームについて記載したいと思います。
足場を設置
上記の水道一時工事が終わったタイミングでようやく水が使えることになったので、塗装のため足場を設置してもらいました。
今回は8DKと大きな戸建てだったので足場代もいつもの倍(22万円)の費用が必要でした。
足場設置前には近隣に挨拶に行きましたが、
お隣の住民の方が耳が遠い方ようで、居て呼びかけても全然応答がなくて困ってました。
仕方なく近所の方に相談したところ、勝手口まで誘導していただき、窓をガンガン叩くことでコンタクトを取れました。
やはり地域住民と仲良くやることは大事だなとあらためて思いました。
屋上防水
足場を設置した後にケルヒャーで高圧洗浄。
陸屋根の高圧洗浄の跳ね返り水が足場の囲いを軽々超えてしまうので、屋根よりも高い位置までメッシュシートを貼っておくべきでした。
ドレインの下で水漏れを起こしていたので、補修用ドレインを購入してやり変えました。
その後、陸屋根とバルコニーの屋上(ウレタン)防水をやり、
次にスレート屋根の塗装を行いました。
外壁塗装
ALC外壁の下地処理をした後に塗装をしました。
なぜかダクト等の穴がそのままになっていたので、こちらで穴埋めをしてから塗装しました。
本当にやることが多くて萎えます。
エアコン取外と売却
エアコンの買取価格が高騰しているので自分でポンプダウンをして取り外し鉄屑屋に運んで売却。
一台5000円程度でした。
クロス貼り(砂壁編)
砂壁の下地処理はパテかベニヤを貼るかのいずれかになると思います。
自分は最初パテを選択しましたが、これが大失敗。
砂だけでなく綿壁もあり、それにパテをしたら案の定剥がれてきました。
また砂壁は中に空気が入った状態で固まってしまい、結局剥がすことに。
最初からベニヤを貼っておけばよかったと、今回のリフォームでの最大の時間の無駄をしました。
クロス張り(板壁編)
板壁は継ぎ目にファイバークロスを貼ってパテを施しました。
その後普通にクロスを貼って何も問題なく終了。
フローリング貼り
フローリングはなにげに初めて施工しました。
素人仕事だとやはり隙間ができたりして仕上がりが大いに不満が残る結果となりました。
CF貼り
CFも実は初めて施工しましたが、特に問題ありませんでした。
2Fトイレは便器を撤去してから貼りましたが、1Fトイレはトイレを残したので新聞で型紙を作ってからCFをカットしました。
DKはCFが一枚では足りず、2枚目を継ぎ足しました。継ぎ目を接着するためのシームシーラーなるものが存在することをこの時初めて知る。
あと余ったCFは階段下のスペースに貼りました。
トイレ設置
2Fトイレは古かったので新調しましたが、水道屋さんがあっというまに設置してしまいました。
ただ、CFの下地がタイルにアースタックだったため、ビスが効かなくて困らせてしまいました。
手を抜くとこういうところに影響が出るのだと痛感。手こずらせてごめんなさい。
キッチンまわり
水道屋さんから頂戴したシロッコファンの換気扇を設置。
既存の換気扇の穴を利用してアルミ複合板で穴を塞いだ後にダクト穴を開けガラリを設置。
壁がなぜかブロックだったので下地として野縁剤を設置するのに苦労しました。
下地ができてからはスムーズに取付できました。
そしてキッチンも新設しました。
古いキッチンは自力で壊して木材は銭湯へ、金属は鉄屑屋へ。
廃棄はゼロ円どころか若干プラスに。
キッチンは楽天市場で注文しましたが、店舗側の手違いで指定された日にモノが来ませんでした。
どうやら発注ミスとのことで一週間待たされて無事届きましたが、今度は自分が発注ミスをしていたことが判明。
本来不要だったはずの水栓の穴あけなどの作業が発生しました。
床の間
床の間の床がぶかぶかしていたので捲ってみたら土台が溶けてました。
この頃にはもうすっかりなれていたので、動揺することもなく大工さんが残していった木材と金物を使い修復。
床の傾きを直すために勝ったジャッキがこんなところで役に立ちました。
浴室解体と溶けてた土台復活
浴室を解体したら土台と間柱の下半分が溶けてました。
時間もないので再び大工さんに来てもらって修復してもらいました。
大工さんの仕事は見てて惚れ惚れしますね。
軒天の修復
剥がれた軒天をもとに戻したかったけど下地がもうだめで、サイディングを剥がした後に下地を新たに入れる必要がありました。
これも大工さんにお願いして何とか軒天が復活。
ユニットバスの設置準備
ユニットバスの現地調査で指定されたとおりに排水を立ち上げ、そしてコンクリートを打ちました。
もうこの頃にはコンクリートを自力で練って正しいレベルで打つことができるようになってました。
慣れって恐ろしい。
脱衣室リフォーム
脱衣室は床からやり直し。
まずはコンクリートを打ってから土台と束を設置。
根太レス工法を採用したので24mm合板を調達しました。
そして点検口も取り付け、CFを貼って床は完成。
壁はタイルを削るのが嫌だったのでアルミ複合板とL型を取り付けました。
壁の上はクロスを貼って何とか仕上げました。
エアコンをセルフ取付
エアコンで10年以上古いモノがあと2台あり、そちらはやっぱり新品と交換しようと考えました。
既存エアコンはDIYで取り外し売却して1万円ゲット。
そしてヤフーショッピングを駆使してパナソニックエアコンを実質1台37000円で2台分調達。
取付はやはりDIYでやりました。エアコン工具のレンタルが3泊4日で2900円(送料別)なので、そちらを利用しました。
ちなみに最初に自宅のエアコン交換で経験を積んでからトライしました。
ユニットバスの組み立て
結局ユニットバスの組み立てに2ヶ月ほど待たされました。
これだけ待つのなら他の仕事をもっとゆっくりやっても良かったなと今は思います。
ちなみに他の地域でも2ヶ月待つのがザラらしいので、私の物件の所在地の組み立て屋さんが少ないというわけではなさそう。
あとユニットバスが組み上がってから浴室の壁を仕上げるのですが、今回は梁が邪魔して狭い上にどう納めるか途方に暮れました。
結局3日かかって何とか仕上げることができました。
ニス塗布
最後に床を水拭きしてから油性ニスを塗布。
かねてより試したかったコテバケを使ってみたらものすごく仕上がりが良かったです。
ローラーバケだと気泡が出やすいですが、コテバケだとそれがないしニスを大量に含ませることができるので塗っててもなかなか途切れないです。
リフォーム期間と総額
リフォーム期間
- 3月残置物撤去
- 4月〜7月水道工事1、屋上・外壁工事(下地処理・塗装含む)、板金工事
- 8〜11月内装工事
- 12月ユニットバス工事、清掃(ニス塗布)、撤退
- ⇒約10ヶ月
リフォーム総額
- 金額TOP5
- 水道工事(給水新設・排水部分新設・雑工事含む):40万
- ユニットバス(本体・組立):40万
- 足場:22万
- 大工工事:20万
- 屋上防水(材料費のみ):10万
- ⇒総額220万
目標の200万を少し超えてしまいましたが、致し方ないですね。
屋上防水以外は外注したのでそれなりの金額がしますが、屋上防水は材料費だけでも10万もかかるとは恐るべし。
これに登記費用やら不動産取得税、ガソリン、宿泊代などを考慮したら280万を超えます。
利回り
想定利回りは21%弱です。
入居募集中なのでまだ絵に書いた餅です。
想定家賃やその根拠については後日別記事にしたいと思います。
まとめ
- 競売はやっぱり怖いので可能なら入札前に中身を見せてもらうべき
- ノールックならば腹をくくって対処するつもりで購入しましょう
- 木材は銭湯に引き取ってもらいましょう
- 金属やエアコン等は鉄屑屋で売りましょう
- 大工さん、水道屋さんはたくさんのヒントを与えてくださいますので、迷惑にならない限り頼ってみましょう